よくある質問
産科(出産)
産科(出産)についてのよくある質問を掲載しています。
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出産予定日が近づくと「お産の準備が順調に進んでいますよ」というサインを感じるようになります。
ただし、これらの症状にも個人差がありますし、すぐに入院ということではありませんので、あせらず落ち着いて入院準備の確認をしましょう。
・赤ちゃんが下がる
赤ちゃんが下に降りてくるので胃のあたりがすっきりし、食欲がわいてきます。見た目にも下腹のほうがつき出た洋梨のような体型になってきます。
・胎動が少なくなったように感じる
骨盤の中に赤ちゃんの頭が下がり安定し、子宮の収縮が強くなると、これまでより胎動が少なくなったように感じることがあります。ただ、まったく動かないことはないですから、10カウントをおこな、異変を感じたら連絡しましょう。
・粘り気のあるおりものが増える
粘り気のあるおりものが増えてきます。粘液に赤や茶褐色の血液が混じるようになると、子宮口が開き始めた可能性があります。
・おなかが張る
不規則ですが、おなかが張る回数が増えたり、痛みを感じるようになります。間隔が不規則なら、まだ本格的な陣痛ではありませんので、本番に向けてリラックスの練習をしておきましょう。
・トイレの回数が増える
赤ちゃんが下がってきたことにより、膀胱や直腸が押され、尿意や便意を頻繁に感じます。大きいおなかで何度もトイレに通うのは面倒ですが、がまんをしないようにしましょう。
・足のつけ根が痛む
骨盤に入った赤ちゃんの頭の圧迫のため、恥骨やももの付け根が痛んだり、足がつったりします。
トイレでいきむと赤ちゃんが生まれてしまうのでは、と不安に思う人もいるようです。
でも実際には、赤ちゃんはそんなに簡単に生まれてくるものではありません。
子宮口全開で今にも生まれそう、という人なら話は別ですが、陣痛もまだ始まらず、妊娠経過に異常のない人なら、トイレでいきんだくらいでは生まれません。
便秘はひどいと痔につながりやすいので、繊維の多い食事をとり、適度に体を動かして、便秘を解消する努力をしてみましょう。
多くの場合、陣痛が規則的になって、その後に「おしるし」と呼ばれる少量の血性のおりものを見るという経過をとります。
おしるしとは、子宮収縮によって赤ちゃんを包む卵膜が、子宮壁からはがれかかったために起こります。
かなり個人差があり、なかには全くおしるしなしで出産になる人もいます。
おしるしがあったときは、清潔な整理用ナプキンを当てておきます。
おしるしがあったからといって、即入院ということではありません。
おしるしは、ある程度のおなかの張りや、子宮収縮によって子宮口が開いたときにあらわれるものです。
また、おしるしは誰にでもあるものではありません。
陣痛がまったくないのに出血している場合、月経のような出血が続く場合、量が増えてきたり、下腹部痛をともなうような場合は、異常が起こっている可能性があります。
すぐに産院に連絡して、診察を受けてください。
陣痛は最初あまり痛みもなく、ただのおなかの張りと区別しにくいものです。
このように本格的な陣痛になる前の不規則な収縮を前駆陣痛といいます。
間隔が10分間隔になってきたら、いよいよ本当の陣痛です。産院に連絡し、入院の準備をしましょう。
破水とは、赤ちゃんを包む卵膜が破れて羊水が体の外に流れ出すことをいいます。
前駆陣痛で子宮口が開いてきたために少量の破水が起こったり、陣痛もなく、子宮口が開く前に破水が起こることがあり、これを前期破水といいます。
破水すると、赤ちゃんを包む卵膜が破れるので、膣から子宮内に細菌が入り、感染を起こすのが一番心配です。
入浴はせずに、すぐに産院に連絡して入院します。
破水は、生ぬるい感触で、においも少しあるので、おりものや尿との区別はつきやすいと思います。
しかし、少量の場合はわかりにくい場合もあるかと思います。
「破水かな?」と思ったら、清潔な生理用ナプキンをあて、しばらく安静にします。
破水の場合動くとそのたびに流れ出ることが多いので、それでも少しずつ出てくるようであれば破水でしょう。
迷ったら受診してください。
もし前駆陣痛が始まったとわかったら、入浴・シャワー・シャンプーなどをすませておきましょう。
お化粧・マニキュア・指輪などの装飾品はとっておきます。
コンタクトレンズも原則として外しておきましょう。
また、体力を養うためにも、消化の良い軽い食事をとっておきましょう。
予定日ぴったりに生まれることはむしろ少ないものですが、予定日を二週間以上も過ぎると胎盤の働きが弱ってくることがあります。
要注意の予定日超過かどうかが、医師の一番注意していることです。
胎盤機能検査や羊水の検査、胎児心音の検査、子宮口の状態などから、もっとも適切な分娩の時期を判断します。
いざというときにあわてないように準備しておきましょう。
●陣痛がきた!
・不規則な場合は、陣痛が規則的になるのを待ちます。この間に、シャワーなどをすませておきます。
・10分間隔の規則的な陣痛になったら、産院に連絡、入院。
●破水した!
・入浴は絶対にせずに、バスタオルや清潔なナプキンをあてておく。すぐに産院に連絡、入院。
●出血した!
・少量の場合、近いうちにお産が始まるサイン”おしるし”ですので、陣痛が規則的になるのを待ちます。
・あきらかに多量の出血、止まらない、増え続ける、等の場合は異常が考えられます。すぐに産院に連絡、入院。
● 発熱した!
・何らかの異常がある可能性があります。すぐに産院に連絡、入院。
●激痛がある!
・何らかの異常がある可能性があります。すぐに産院に連絡、入院。
膀胱に尿がたまっている状態だと、陣痛が弱まったり、赤ちゃんの頭が下がりづらくなったりしてしまいます。
陣痛が強まると自分でトイレまで歩けなくなります。
また、陣痛の痛みで感覚が麻痺し尿意を感じなくなったり、自分で尿が出せなくなることもあります。
その時は スタッフが様子を見ながら導尿をします。
赤ちゃんが産道の途中まで降りてきているのに、お産の進行に時間がかかると、赤ちゃんの酸素不足を起こす原因となり、あまり時間をかけられない状態になります。
このような場合に、強い酸素不足になる前に娩出させる方法として、鉗子(かんし)分娩や吸引分娩が行われます。
鉗子分娩は、金属製の鉗子で赤ちゃんの頭をはさんで引き出す方法です。
吸引分娩は、金属やシリコンでできたカップを赤ちゃんの頭に吸いつけて引き出す方法です。
もちろん赤ちゃんの頭の形や障害等の心配はありません。
の緊急事態になったときには、急に帝王切開になる場合もあります。帝王切開はふつう、全身麻酔ではないので産声も聞けます。
●産道を通過できないような場合
・児頭骨盤不適合の場合(赤ちゃんの頭が骨盤よりも大きくて通れない場合)
・前置胎盤の場合(胎盤の位置により経膣分娩も可能)
・高年初産婦で産道がかたい場合
・さかごや多胎の場合(必ずしも帝王切開とは限らないが確率は高い)
●胎児の酸素不足の場合
分娩に時間をかけられず、経膣分娩のためにはまだ時間がかかると予測される場合
●母体側に原因がある場合
長い分娩時間に耐えられないと思われる場合(重症の妊娠中毒症や心臓病など)
赤ちゃんが誕生し、胎盤などが娩出される後産がすむと、お産はほぼ終わりです。
場合にもよりますが、多少時間がずれても分娩台にいる間に赤ちゃんと対面できるでしょう。
立会い出産なら、家族も誕生直後の赤ちゃんに対面できるでしょうし、待合室で待機していた場合には、へその緒の始末や新生児チェックを受けたあとで、対面できるでしょう。
その後、赤ちゃんは新生児室のベッドに落ち着きます。
大きな声を出していけないということはありません。
痛いときには「痛い」と言ってもかまわないのです。
ただ、大切なことは自分自身を見失わないことです。冷静さを失いパニック状態にならないためにも、呼吸法やリラックス法を学び、大声を出しそうになったら大きく息を吸ってできるだけ長くゆっくり吐くのです。
呼吸法といっても、難しく考える必要はありません。
一度、お産を経験した産婦さんは子宮口が開きやすく、一般的に分娩所要時間が初産より短くすむのです。
そのため、産婦さんも楽に感じる場合が多いのです。
ただし、お産は毎回条件が違います。産道はやわらかく開いても、赤ちゃんの頭の入り方や回旋のしかたに不都合があるとお産が長引くこともあります。
なお、前回のお産がスピード出産だった人は、くれぐれも早めに入院しましょう。
子宮筋腫とは、子宮にできた良性の腫瘍で、筋肉組織の一部が異常増殖して、こぶのようにしこりとなったものです。
一般的に筋腫があると、流産する率は高くなりますが、現在妊娠が正常に進行しているのであれば特に心配ありません。
ただ、筋腫の位置や大きさによっては、注意が必要です。
35才以上の初めてのお産を高年初産といいます。
高年初産の場合は、妊娠中毒症や早産などが心配されます。
お産のときは、微弱陣痛、軟産道強靭(子宮口の開きや会陰の伸びが悪い)などで長引くことがありますが、これらは個人差が大きく、すべての高年初産の人がそうとは限りません。大切なことは、産後の回復です。
栄養、休養を十分にとってお産にそなえ、環境を整えておきましょう。